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2007年 12月 31日
例えば「面(つら)・オブ・ザ・ツアー」は旅先で出会った中で一番強烈だった顔の持ち主。宿の亭主であったり、列車で乗り合わせた向かいのオッサンだったりすることが多い。その他、おいしかった/口が曲がるほどまずかった食べ物や、最高/最悪だったホテルなど旅行中の一番を総括するのである。 さて、今回の「不味・オブ・ザ・ツアー」は・・・。 たいていの旅行で、「すみません!食べられません!」というまずすぎる食べ物(なのに現地人は横でおいしそうに食べている)に出会うものだが、スリランカでは辛くて食べられないものはあっても、まずくて食べられないものには今のところ出会っていない。訪スリ3度目だけど、毎回ほとんど夫の実家にいて、冒険しないからなのか、私が苦手とする羊肉や臓物系がないからという話もあるが。 そんな中で、今回私が謹んで辞退したのは娘のバースデーケーキだった。 娘の誕生日に親戚や夫の友人家族をまねいて、パーティーをしたのだが、そのケーキは前日の夜、ターッタ(夫のお父さん)が買ってきた。60cm×40cmくらいのミッキーマウスの形をしたバターケーキで、冷蔵庫に入れようとしたけど入りそうで入らないという巨大なもの。みんながいろいろ角度を変えて試行錯誤して大騒ぎしていたのがキッチンから聞こえたが、私はそのとき、娘を寝かしつけようと寝室にいた。そこへ夫が「ケーキきれいだよ~」と笑いながら入って来たのを見て、ひゃ~!びっくり。ベロが真っ青よ~~! 私が「ダーリン、ケーキ食べたでしょう!」と言ったら、「冷蔵庫に入れようとしたときに手に付いたから、ちょっと味見したのよ。なんで分かったの?!」とエスパーでも見るかのように私を見るので、「鏡を見てごらんよ」とのぞかせた。「ヒャ~!デ、デビルみたいよ~!」 まぁこういうのってアメリカとか中国なんかでもいまだに売ってるからそんなに驚かないけど、これほど青い舌を見るのは生まれて初めてだった。 それはともかく、翌日のパーティのゲストは仕事が終わってから来る人もいるので、夜7時からということだったのだが、それまでケーキをどう保存するかが問題になった。 バターケーキなので、室温でも悪くなりはしないとのことだが、問題はあっという間に群がってくる蟻だった。隣家に大きな冷蔵庫がないか数軒聞いて回ったり電話したりしたけど、なかったみたい。 そこで水を張ったサラダボール4つに背の高いタンブラー4つをそれぞれ入れたものを四隅に据えた上にケーキの箱を載せた(イラスト参照)。これで泳げない蟻はケーキまで辿り着けないという寸法らしい。 飲み終わったミルクティのカップを少し放置するとあっという間に蟻だらけになる土地なので、蟻との戦いには慣れており、こういう方策は常識のようでササッ出てくる。昔の人が知恵を絞って発明し、語り継がれてきたやり方なのだろう・・・。 そんなわけで、今回のモスト・インプレッシブ・食べ物・オブ・ザ・ツアーはこのケーキに決定するとしよう。
by kanamarine
| 2007-12-31 14:19
| 2007年 訪スリランカ
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